発達障害の子供の育児、療育、学校生活について書き綴ったメルマガ「のーんびりんぐ通信 63号」のバックナンバー(抜粋)です。
前回は六年生、受験生の夏休みのことをお話させていただきました。規則正しい生活のおかげで、二学期も順調にスタートできました。
今回は、学校生活から脱線して息子の習い事についてお話していきたいと思います。
療育(スポーツ療育も)以外の習い事についてです。
以前にも少しふれていたことがありますが、息子は小学校入学時からスイミングを四年間通っていました。運動全般が苦手で、特に水嫌いの息子が恐怖心なく取り組めるようになって欲しいと思い、通い始めました。
家のお風呂でも母ちゃんの自己流水嫌い克服プロジェクトと併用でスイミングの優しい先生のご指導のおかげで、息子は楽しくスイミングに通えていました。水泳大会で50メートル泳げることを目標にしていたので四年生で卒業しました。
母ちゃんの突っ走りスパルタプロジェクトによくついてきてくれました。というより、スイミングのコーチの先生方に感謝しかありません。
もう一つの習い事はピアノです。
こちらも小学校入学と同時に始めました。母ちゃんが習っていたので、子どもたちにも習って欲しいなあという思い(9割がこっち)と、両手を使うことで脳にも刺激を与えて療育にも効果的と聞いたこともあり、一石二鳥と思ったからです。
もちろん、息子が興味を持たないようであれば無理にやらせるつもりはありませんでした。興味以前に両手が違う動きをすることが、手先が不器用な息子にとってものすごくハードルが高いので、興味をクリアしてもここで壁にぶち当たることがすぐに想像できました。
幼稚園で通所し始めた療育では、タンバリンやカスタネットを音楽に合わせてたたくことがあり、ここではリズム感をつかむことにかなり苦戦していました。(他のお子さんはうまくリズムにのれていたので、先生がいつも気にかけてくださいました。)更にハードルが高くなったなぁとかぐるぐる考えました。
考えてもわからないので、ここは実行に移すことにしました。
早速ピアノ教室に電話しました。息子にはグループレッスンより、個人の先生の方が自分のペースで習えるのではと思い、個人の先生の教室に決めました。
家からも歩いていける距離にあり、そばをよく通っていたので雰囲気はわかっていました。
そしてすぐに体験の日になりました。
家にもピアノはあるので、初めてではなかったものの息子はとても緊張しているように見えました。息子の障害のことは先生に伝えていませんが、先生は一人一人に合ったメニューで歌の時間も組み込みながら工夫されているのが伝わってきました。
後に幼稚園の妹もお世話になることになるのですが、リトミック中心に幼稚園生活と似たような環境でピアノもしっかり弾き(触り?)、楽しくレッスンをしてくださいました。
そして息子ですが、すぐに緊張もほぐれ、先生とたくさんお話をし、ピアノにも興味津々でした。レッスンは30分ですが、あっという間に過ぎました。息子も楽しかったと始終笑顔した。習いたいかどうかを聞くと、もちろん習いたいのことでその日のうちに先生にその旨を伝えました。
ピアノへの興味はクリアです。問題はこのあとです。今日は、体験レッスンを30分受けられただけでまずは満点としよう。ピアノ弾くことは、回数重ねていかないとわからないのでこの後は先生にお任せして見守ることにしました。体験レッスンの後は、息子とも話して一人で行くというので、教室までの送り迎えだけにしました。
右手だけからスタートし、少しずつ左手もはいってきます。先生のレッスン後は家のピアノで次のレッスンまでにしっかり練習をします。簡単な曲ではありますが、両手デビューの時は、ドキドキしながら見守りました。
せっかく興味を持てたのに息子がいきなり挫折しないか、そしてそれを乗り越えられるか、心配が駆け巡りました。
そして息子が弾き始めました。あれれれれれ?! 左手と右手が違う動きしてる?!弾けてる!! よっしゃ!!最難関クリア! 息子は、おかんなんでそんなにびっくりしてんの?と言わんばかりに弾き続けています。私は嬉しくて嬉しくて大はしゃぎしてしまいました。
母ちゃんが心配しすぎていたようで、息子はすんなり弾けていました。手の不器用さはピアノだけに当てはまることではありませんが、これまでの療育の効果も大きかったと思います。息子なりに小さい体で頑張ってきたことに胸が熱くなりました。
思い切ってピアノ教室に行かせてよかったです。先生にも感謝の気持ちでいっぱいです。これからのレッスンがますます楽しみになりました。
心配いっぱいのスタートではありましたが、毎年発表会で弾き、母ちゃんとの連弾も経験し、小学校一年生から高校三年生まで頑張ってくれました。
母ちゃんと同じ年数ピアノを弾いていたけれど、すぐに抜かされました。。(比べることではありませんが、連弾の度にダメ出し&呆れられていました 笑)
息子の習い事はほぼピアノでしたが、ピアノを好きになってくれたことはもちろんですが、辞めたいと一回も言わずに続けたことを誇りに思います。(はい、親ばかです 笑)
とここで脱線。
息子と初めての発表会でのこと。今日ピアノ頑張ったら、(間違えずというわけではなくて)お寿司食べに行こうと事前に話していました。
弾き終わったら、お辞儀して姿勢よく歩いて舞台袖にはけると先生からも説明を受けていました。
母ちゃんとの連弾を終え、お辞儀をして舞台袖に向かう途中、感無量で舞い上がり気味の母ちゃんは息子にひそひそ声で上手だったねと言ってしまったのです。やっちまった、まだ舞台袖まで5歩ぐらいあるのに、舞い上がりを抑えられず母ちゃんやらかしてしまいました・・・
そして母ちゃんのやらかし直後に息子は、満足げに笑みをうかべて言葉を発したのです。もちろん、小声ですが「お寿司いける?」と。しーっ!というよりも、まずは舞台を離れようと思い、息子の手をさっと繋いてはけたのでした。
もう仕方ない、ここは微笑ましい親子の姿に見えていることを信じよう。
ということで今回は脱線で締めたいと思います。
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